三角塔(二等三角点・点名、鷲尾深山)(458.3m)
五万分ノ一図「園部」
由良川の支流、土師川の源流域と書けば、扨て?と、首を傾げたくなるだろうが、瑞穂町の山で、国道9号線須知の京都銀行を左へ瑞穂ゴルフ場を越えて、国道173号線を南へ5分程走り人家が見えてくると右へ曲がり拡幅された井尻への道、直ぐに左へ兜山の南裾を送電線の下を抜け右折、府道711号線、鎌谷下ここで左折、鎌谷中を過ぎると大きな岩が見えてくる頃によく手入れされた宮ノ前バス停広場に着く、横手の防火倉庫に車を置くスペースが有る。
府道711号線を土師川上流へ、中山天狗岩を過ぎた谷を薮を目指して突入、直ぐに薮も消えて落葉樹の疎林ゴロゴロの急斜面となるが10分も、もがけば天狗岩の下に着く。どこか大岩に取付く所はないものかと大岩の裾を登る、儘よと大岩に取付き(セッコク)は着いていないか(しのぶ)は珍しいものが着いていないものかと岩肌を半時計回りに8から12までよたよたと登り降りする、やがてよつん這いになり木や枝を掴んで登るも三歩登って一歩ずり落ちる、岩屑の急坂をやっとの思いで天狗岩の上に立つ。
遅い昼食、急に寒くなって来たmont−bellを着る、取付いてすぐに暑くなりそのまま小春日和の中、汗をかき悪戦苦闘して来たのでひやっとしてきた、岩尾根をそろりそろりと端っこまで行く、足もとは切り立つ絶壁、何と絶景とはこの事だ。
天狗岩に続く支尾根を雑木を掴みつつ主尾根に出る、大きなコンクリートの電信柱が谷に倒れている所だった、背丈を越すヤブの切開きを登る、ガサガサガサッと鹿が谷へ一目散に駆け降りる午睡していたのに、少し登ると東側5〜6m下方に何か光るものが見える、何だろう好奇心が踊る、尾根から降りるとまた登ってこなければ成らぬ。しかし、好奇心に負けて見に行くとジュラルミン製の箱で40cm×50cmの大きさ鍵穴もしっかりしていて開けようとしても開かない。持ち上げようと思っても重たくて持ち上げられぬ・・・ 飛行機の部品の一部かな、飛行機が落として行ったのかと思いながら引き返してガッカリ「内田嘉弘著・京都丹波の山(上)」に書かれているNHKの共同アンテナが解体され太いケーブルや鉄骨等が打ち捨てられていたのだった、その一部、ボックスがズリ落ちて、雑木林の中で輝いていたのだ、人騒がせな。
主尾根も薮コギも楽になり一つコブを越えると踏み跡も現れて、頂上三角点に着く、自分にご苦労さん、登り出してから4時間と15分よく諦めもせずに登って来たものだ、眺めはすこぶる良い冬空の晴れたポカポカした昼下がり、北側に朽ちかけた小屋が眺めを邪魔するぐらいで、中を覗くとバッテリーが沢山ほってある、もっとゆっくりしたいのだが登ってきた時間を思うと一本立てて早々と下りることにする。
尾根道は急に怪しくなり、はて、これは違うぞと三角点に戻る、三角点と小屋の中程に杣道が登って来ている、ああこれだと躊躇なく石ゴロゴロの坂道を体のおもむくままに下る、スピードが出るのでブレーキを掛けつつ止まると滑るので慎重に下りる、松が枯れて落葉樹ばかりの汗ばむ程の小春日和の、のどかな道を鎌谷奥柏木の登山口に下りる。登山口の標示板もあり、今までに車で何度も走っているのに見落としていたのだ。
下り立ったところで柿の木を剪定していた村人に声をかける、「天狗岩から道はあらへんやろう、よう登って来やはったなぁー」と言われて、私もそう思う。府道711号線のアスファルト道をテコテコと車の所まで戻る。
記 : 川勝
コースタイム
10:00)宮ノ前出発 10:05)天狗岩取付き 10:15)天狗岩下部 12:30)天狗岩上部
12:45)出発 13:35)主尾根合流 14:15)三角点 14:30)出発
14:55)鎌谷奥・柏木登山口下山 15:25)宮ノ前