根子岳(2,207m)、十観山(1,284m)。
(カラフトイバラを見られました)
5年ぶりに長野の登山大会に参加した。(以前雄踏第230号、第243号に投稿)
前二回はいずれも一番ハードなコースにしていたが今回は第二ランクにした。13日は登り2時間、全行程5時間の根子岳(2,207m)、14日は登り1時間、全行程2時間の十観山(1,284m)。参加者は5年前は111名、今回は70名で前回までは参加者の年齢が記入されていたが、今回は削除されていたのでプラス5すると最高齢は92歳の坂口会長で、私達と同じコースに登録されていた。前回顔見知りになった人々にもお会いし、まるで同窓会のようだった。
【7月12日】 晴れ時々曇り、京都10:59発ひかりで名古屋まで行き、12:00発のしなのの車中を楽しみにしていたが、車内販売はなしという冷たいアナウンス、急いで売店へ駆け込みサンドイッチとビールを買い乗り込んだ。「寝覚めの床」などの名所案内もなく、塩尻あたりのリンゴやブドウの畑を懐かしげに眺めていた。事前に乗り換えの篠ノ井では3分しかないのを知っていたので、途中の単線区間で行き違い列車待ちをしたときはヤキモキした。姨捨駅近くで「このあたりの田毎の月は何とか百景です」とのアナウンスが入った。篠ノ井では結局1分くらいしかなく階段を1段とばしに駆け上がり、電車に到着したがドアは閉まっていて、次まで30分くらい待たねばと思ったところドアが開いた。冷房を保つために閉めていたのでした。上田駅に着き前回も一緒に参加した清水氏と無事会えた。彼の車で菅平に向かって行くとシラカバの林が見えてきた。お陰で5時の歓迎会・夕食には十分間に合ったが、受付で事務局の矢沢さんに聞くと我々が最後の方だった。歓迎会はなかなか賑やかで、アトラクションで真田一族に扮している中に、前回同じ班で歩き高山植物をいろいろ教えてくれたネパールのシェルパのラマ・ゲルさんも混じっていた。名簿で参加者を照合していると高山病の権威中島先生、一緒に歌った山口の竹永さん、同室で毎年干支の字の山に登っている群馬の斎藤さん等はすぐに分かった。
【7月13日】 曇り、7:30バスで出発、8:00登山口着、2班合同で記念写真を撮りストレッチをして我々1班から歩き出した。霧のかかった牧場の横の自然保護のための階段を登って行くと、レンゲツツジの横にバラの灌木が見えた、これが北海道とこの根子岳にしか見られないカラフトイバラだった。あちこちにアヤメの群落も多くあった。8:30あずまやで休憩し水分補給をした。その後の登りでシラカバとダケカンバの違いについて説明を受けた。(シラカバの方が低い高度にあり、年平均気温4度でダケカンバとの境になり、直立し寿命は80年。ダケカンバは枝が多く伸び200年くらい生きるそうです。)リーダーはなかなか植物に詳しかった。そこからナナカマドなどを見ながら石の多いダラダラ登りで、すこしづつ遅れ出し10:15に頂上に到着。すぐに写真撮影、わずか10分で昼食場所へ向け歩き出した。途中道が大きく抉られた部分が長くあり迂回路を行った。温厚な紳士といろいろ話しながら最後尾を歩くことになったが、その方は大分山岳連盟の顧問(前会長)の首藤氏と後で知った。11:45にやっと昼食となった。
朝配られた二個のおにぎりは中にツナなどの具があり美味しかった。12:10に出発し、すぐ近くに草を食んでいる乳牛やヤギのいる牧場の横の道を下った。その縁にはミヤマタンポポと青い花の群落が美しかった。13:30にバスの駐車場に着いた。その後朝の宿舎にもどり、自家用車の人は各自車で上田城まで行きガイドの説明を聴き見学して、今夜の宿泊所へ行きなさいと判断した。(実は自家用車は明日のお別れ会のホテルの駐車場に止めて、というのを聴き落とし我々だけが自分の車で今夜の宿舎へ行ってしまった。)その夜は、岐阜県山岳連盟の二人と同室だった。山ガールの服装やあちこちの山小屋のトイレなどについて話をした。
【7月14日】 4時に目が覚めて朝風呂に行くとスタッフ二人が入られていて、そのうちの一人は前回もいろいろお世話になった松田氏だった。彼が「湯浅さん何年ぶり」と声をかけてくださった。覚えていてくださったのだ。外の露天風呂へ行くと大粒の雨が落ちてきた。前夜からの当地の雨乞いの祭りの御利益があったのだ。この別所温泉の宿舎は、かつて浩宮殿下が泊まられたそうだ。朝食後各班が出発となったが予定より時間が遅れた。ロビーはゆったりしていて蓄音機が置いてあり、多くのLPレコードがあり1967年のビートルズを掛けてもらった。青木村にある十観山へ向かった。昆虫館に車を止め雨の中、滑りやすい道に注意しながら同じコースを往復2時間歩いた。山頂近くにハングライダーの飛び出し場があり、晴れていれば眺望もあったのにと残念だった。次の日に宇都宮へ中世の豪族宇都宮一族のことを調べに行くので、栃木山岳会の糸井氏にいろいろ聞き大いに役立った。できれば来年も参加したいと思っている。
記:湯浅