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亀岡山岳会(KAC) 
例 会 報 告


3月例会報告  2021年3月14日(日)  天候:快晴

唐櫃越(沓掛山 414.7m・みすぎ山 430m)
 

参加者 L:岡本、大伴、秋山、守山、吉田、小澤、藤井、上林


 前日、未明には雷鳴が轟き「春の嵐」で強風が吹き荒れ、日中も雨が降ったり止んだりと優れない天候のために、少しの心配があったが、亀岡警察署へ「登山計画書」を届け出た。予報での晴れマークを頼りに予定通り実施する。「緊急事態宣言」の解除後とはいえ、京都に於いても、コロナ感染者が日毎に発表され、自粛ムードが漂う中で、中止を何度も繰り返して来た例会も、今年度は最終回となる。午前8時、JR嵯峨嵐山駅に8人が仮集合した。
 
ここから渡月橋を渡り、阪急嵐山線・嵐山駅には25分程で到着した。8時32分発の電車で上桂駅まで乗車し、下車後西京区山田口から山田岐れを通り、
 
ハイキングコース案内板の立つ登山口から出発する。

民家を離れ、両側に竹林の中を「地蔵院基地」までは、出し抜けの急坂で息が上がる。登り切ったところで身支度を整えた後、ここから山道に入る。
 
暫く進むと苔寺方面への分岐地点「松尾丁塚」標識を通過、両側に竹林の中を行く。登り切った辺りは、南側に御陵大枝山町の家並みが迫っている。
 
竹林の中の登山道脇には、紅い椿の花が見られた。緩やかな登山道が続き、街並みが見渡せる眺望の良い場所では、休憩を取りながら少しずつ高度を上げていく。
 
馬酔木も多くが花を咲かせていた。桂坂の街並みが望める辺りからは「野鳥遊園」の領域に入る。桂坂への分岐地点で小休止、ここからは京都市を囲む山々が一望出来た。

天気予報どおりの快晴に恵まれ青空が広がっている。右に愛宕山を眺めながら登る。今回の第一ポイント沓掛山(414.7m)には11時に到着した。

今日は日曜日とあって、山頂付近では何人もの登山者と出会う。中には柴犬を連れた散歩者もあった。ここで昼食休憩とする。
 35分程休んだ後、亀岡へ向けて再出発する。ここからは長い尾根筋が続き狭隘(キョウアイ)な痩せ尾根道は登山者も少なくなる。途中、時々に見られる樒も淡い黄色の花を付けている。

何度も愛宕山を望める見晴らしのいいスポットがある。中には「遥拝所」「参拝所」との表示板も掲げられていた。痩せ尾根伝いにアップダウンを繰り返し、12時半、西山団地方面からの舗装路に出た。
 
この道では何台もの車と出合う。舗装路終りの広場には、猟犬を連れた狩猟メンバーが何人(台)も集合されていた。

 少し休憩の後、馬堀に向けて林道を行く。この辺りから、篠町自治会による「本能寺への道」との標識が目立つが、古い石碑や遺構は道中に於いて見付けることが出来なかった。「唐櫃越古道」は歴史上タビタビ登場して来る。「太平記」にも記載がある。江戸時代になると、使われることが少なくなり荒れていたことを伺える記載文献もある。古代から中世にかけては、丹波國と平安京を継ぐ重要な交通路・軍道として使われていた。本道である山陰道の老の坂を堂々と越えられない場合や、京都の敵陣の意表を衝く進軍、さらには、敗走路として用いられるなど、かくれ道・間道としての機能を持った軍道として利用されていたことが判る。

 
 快晴での山行は気分も晴ればれする。途中「裏白シダのヒコーキ」を飛ばしたり「岩梨」のピンクの花を見詰めたりしながら進むと、下を走るJR嵯峨野線を見渡せる場所に着く。

「鉄道ファン」には、それなりの有名スポットとか、この日も走る電車にカメラを構える青年と出会った。山中での久し振りの若い男性とあって、一部のオバ様方は、全方位から、今出会ったバカリとは思えない早業でお近か付きとなり、瞬時に「珍しい電車が間も無く通過する」ことを聞き出した。そこで、絶好の撮影ポイントに陣取り待ち構えたところ、これを見事に捉え、旨く撮影が出来た。

これは、3月13日から京都駅〜胡麻駅間に登場した、ホヤホヤの普通列車で「森の京都QRトレイン」と云う。12日には亀岡駅に於いて出発式が挙行されている。4両編成で外観を、森の京都コンセプトカラーの茶・黒・金で塗装し、車内は亀岡の柿渋染めや綾部の黒谷和紙を生かした内装となっているとの事。山陰線では、ラッピングする普通列車は初めてで、カラフルな列車を目撃出来た。

 
 予定外の行動にて30分程経過したため、先を急ぎ、第2ポイントの「みすぎ山」(430m)を目指す。ここは、今回の最高地点である。林道から山道に入り少し登ったところで、14時10分に到着した。

ここも眺望がいい、篠町の街並みと長尾山から明神ヶ岳へ続く山々が一望出来た。記念撮影と少し休憩の後、馬堀へ向けて下山する。
 
前日の雨で少しぬかるむところもある、滑らないように注意しながら急坂を降りる。15時、臨済宗如意寺の登山口に無事下山した。ここは、史跡山本城跡。
 
往時の都への入り口付近にあたる。「明智光秀の丹波攻め初期の頃から、山本城を拠点とした宇野氏が余部城攻めなどで活躍したとされる」歴史スポット。ここから鵜ノ川を渡り篠町見晴団地内へ入り馬堀駅へ向う。大伴氏邸宅を通過し駅前近くの喫茶「山馬珈琲匠店」へ立寄り休憩する。ここへは近くの上原氏も参加された。30,000歩の尾根歩きをした後にも拘らず、疲れも見せず、もう次の山行への話で盛り上がっていた。其の後、駅前駐車場辺りで16時10分解散となった。
 お疲れ様でした。

<コースタイム>
JR嵯峨嵐山駅8:00→阪急嵐山駅8:25→上桂駅8:40→山田岐れ8:50→登山口8:55→墓地お地蔵さま9:05→林道入口9:10→丁場標識岐れ9:20→野鳥遊園眺望スポット10:15→11:00沓掛山山頂11:35→舗装路12:30→12:50舗装路終りの広場13:05→13:35鉄道を望むスポット14:05→14:10みすぎ山山頂14:15→ 如意寺登山口15:00

記:岡本保文