鯖江 花の「文殊山」(366m)
参加者 L:大伴、梅井、川村、名倉、上原、岡本 守山、吉田、小澤、藤井、西澤、上原(し)
京丹波町下山のスーパー「サンダイコー」へ、夫々が参加者を集めて車3台が集合した。今回の参加者は12名。4名ずつに配車を整えて7時30分出発する。 わち道の駅「和」でトイレ休憩を取り、7時45分再出発する。国道27号線を進み「京丹波和知IC」より京都縦貫自動車道に入る。綾部JCTから舞鶴若狭自動車道へ入り、御食國(ミケツクニ)若狭路の「若狭さとうみハイウェイ」を福井へ向けて走る。 今日の天気予報では、好天に恵まれ気温は20℃に上昇する模様である。「三方五湖PA」に到着、予報どおりで雲一つ無い青空が広がっている。日本農業遺産に認定されている三方五湖から、湖面を渡り来る風に爽邁(ソウマイ)な気候が登山の期待を押し上げる。運転者を交代したり、トイレ休憩の後8時58分出発する。 敦賀JCTから北陸自動車道に入る、「南条SA」にてトイレ休憩を取り、「鯖江IC」から」一般道の国道8号線に入る。この頃には、外気標識で19℃を示していた。 「大土呂」の道路標示を右折し、新幹線予定の高架を潜り10時25分「文殊山登山用無料駐車場」に到着した。 前年同時期に来た時には余裕のあった駐車場だが、本日は平日水曜日にも関らず満車状態で、駐車するのに少し時間を要した。
夫々が準備作業の後、10時40分登山に向け出発する。文珠山登山には多く10本ものコースがあるが、今回は二上町から「二上コース」を登る。山頂の大文殊までは約50分のコースタイムである。 駐車場から続く登り口には「文珠山(標高365メートル)」として案内板がある。文珠山は越前五山の一つに数えられる古くからの信仰の山である。奈良時代初めの養老元年(717)泰澄大師(タイチョウダイシ)が自ら文殊菩薩を刻んで安置した。同大師が開いた「東」に白山、「西」に越知山、「南」の日野山、「北東」の吉野ヶ岳(蔵王山)と、その中央に位置する文殊山を越前五山と云う。古代には「保々山(岡)」と呼ばれていた。文殊山の歴史は更に古く、今から4300年前の縄文土器の破片が何点かと、石器鏃(ヤジリ)が山頂から見つかっているようである。 山の歴史はそこそこにして、今回登山の目的の一つの「片栗カタクリ」の開花の様子が気がかりである。獣除け柵を通り進むと、まず最初に登山道脇に沢山の猩々袴(ショウジョウバカマ)がピンクの花で出迎えてくれる。 「文殊山登山道」標識あたりで写真を撮り、広い登山道を行く。小休止を取り入れながら進むと、少し展望の開けたあたりで、猫の目草(ネコノメソウ)や東一華(アズマイチゲ)か?一輪草(イチリンソウ)?の群生が見られた。 カタクリの葉もあちらこちらに沢山見受けられるが、未だ蕾の状態が多い。日陰のところには、深山酢漿草(ミヤマカタバミ)の白い花が目に付く。楞厳寺(リョウゴンジ)からの大村コース登山道との出合い付近では可憐な芹葉黄蓮(セリバオウレン)が花を付けていた。 緩やかな登山道が続く七曲坂を過ぎるあたりでは、少し椿(ツバキ)の花も見られた。
トイレ・休憩所のある小文殊・室堂の天狗杉のところまで登る。「天狗様」は留守のようだったが、注連縄(シメナワ)の掛る大杉の元で記念撮影をさせて頂いた。 少し下り登り返すと展望台がある。此処からは北と南方向の眺めが素晴らしい。天候に恵まれ、遠くの山々までも見渡すことが出来た。 展望台近くの登山道脇がカタクリの群生地である。全山斜面一帯にも多くのカタクリが見られるが、ここは特に群生が著しく保護されている。少し時期が早いのか?日当りのいい斜面では蕾を広げているが、満開にはもう少し先の様相である。(本堂で伺った話では、こんなに咲くのが遅い年は始めて・・・。) もう少し登ったところが本堂のある大文殊である。山頂には12時12分到着した。ここで昼食とする。 山頂には大勢の登山参拝者がある。人懐っこい黒毛のワンちゃんが餌を求めてウロウロしている。横取りされないように気にしながら休憩をとる。 展望が素晴らしい、遠くに雪を頂く正しく白い白山を一本の満開の八重桜越しに望むことが出来た。所謂、日本の原風景、絵葉書の如しであった。 「北陸新幹線の展望スポット」からの眺望も、遠くまで続く一直線の線路を見渡すことが出来る。本堂には「日本百名山」の著者である深田久弥の落書きがあるという。日本百名山、原点の山となっている。
昼食を済ませ12時55分「奥の院」へ向けて出発する。アップダウンを繰り返すと文殊山楞厳寺「胎内くぐり」の岩洞がある。潜ると智恵を授かり安産のご利益があるとのこと、どちらのことも本人達にはもう無用のようなメンバーだが、何となく忝(カタジケ)なく有難い!!通り抜けて出てくる写真は何処かみんなチョッと恥ずかしそうな表情だった。 道脇には延齢草(エンレイソウ)が咲き、采配蘭(サイハイラン)が繁る。春蘭も花を付けていた。急坂を登ったところが奥の院で二等三角点がある。 少し休憩の後13時15分下山を開始する。大文殊の頂上へは戻らず、展望台方面への迂回コースを進む。 此のあたりの山斜面にも多くカタクリが見られた。奥の院出発時に出合った小母様が、四方谷町から登る四方谷コースには広葉甘菜(ヒロハアマナ)が沢山咲いている、との情報を得ていたが、帰りコースの途中で、2〜3輪のこれを見付けられた。 展望台まで戻り少し長い休憩をとる。暖かい穏やかな日射しに南へ向いて居並び、規則正しく続く田圃(タンボ)や鯖江の街衢(ガイク)を見渡しながらのんびりと過ごす。
13時50分再び元来たコースから下山する。谷筋には残雪が見られた。竹林を過ぎ、杉林を通り抜け、駐車場登山口へは14時50分全員無事下山した。疎(マバ)らになった車の間に、山頂に居た黒いワンちゃんも下山していた。登山客に連れて毎日登山を繰り返しているのかもしれない。この駐車場には、登山者用にトイレはもちろん、水道や泥落しの場所が設けられている。15時10分帰路につく。
左に、北陸新幹線トンネルの白い屋根が出来上がっていた。JR大土呂駅前を通り8号線に出る。「鯖江IC」から北陸自動車道に入り、15時45分「南条SA」にて休憩を取る。其の後「三方五湖PA」にて再休憩の予定が、敦賀JCTを暴走して通り過ぎる車や、三方五湖周遊のオプションが発生した車とかがあったので、結果的に「南条SA」での解散となった。皆様お疲れ様でした。
<<コースタイム>> 文殊山登山用無料駐車場出発 10時40分 ⇒ 二上登山口 10時45分 ⇒ 天狗杉 11時45分 ⇒ 展望ポイント 12時00分 ⇒ 文殊山山頂(着)12:12分(昼食)(発)12時55分 ⇒ 文殊山奥の院 13時15分 ⇒ 展望ポイント 13時50分 ⇒ 駐車場(着)14時50分
記:岡本