羽束山(ハツカヤマ)(524m)・宰相ヶ岳(サイショウガタケ)(500m)
参加者 : 川村、上原、大伴、岡本
当日は、京都で今年二度目の猛暑日の予想で、高齢者は出来る限り不要不急の外出を控え、こまめに水分を摂りクーラーにあたりながら心静かに過ごすように・・・と、世間では注意喚起されている中、健脚者4名で山登りに挑戦した。九州・中国地方では梅雨時の大雨の影響で災害が発生しており、近畿地方でも雨の日が多い中、晴れ間を縫っての行動となった。早朝には前日の雨で霧が発生しており、少し秋の雰囲気が感じられた。午前7時に集合し亀岡を出発する。372号線篠山街道から477号線に入り、大阪府・兵庫県界を通過し、一庫ダムを越え川西市に入る。7時40分セブンイレブン川西一庫店にて昼食を調達する。県道68号線から猪名川町を通り三田市に入る。三田市香下(カシタ)地区を香下寺(コウゲジ)に向かって坂を登ると寺境内の駐車場があり、参拝者用と併用でかなりのスペースがあるが、駐車は見当らず、貸切状態のところへ8時5分到着した。 トイレも設置されており、境内駐車場土手には紫陽花が咲いていて、ここからは登る羽束山が望めた。
ゆっくりと準備を整え8時17分登山を開始する。 登山口は横の八王子(ハチオウジ)神社の脇にある。 登り口には三田市の調査で入山人数カウントの為の計器が設置されていた。登山道は丁石が点在する羽束神社への参道で十二丁碑から始まる。 前日迄の雨の影響からか、早朝で空気が冷やされて靄(モヤ)が立ち込める。鬱蒼(ウッソウ)として薄暗い石段を登り始めるが、湿度100%か?風は無く汗が噴き出してくる。 八丁碑を越えると甚五郎山(ジンゴロウヤマ)(430m)との鞍部の六丁峠に8時40分辿り着く。その頃には木漏れ日が射してきて、チョッと幻想的な雰囲気の中、峠には「南無阿弥陀仏」と刻まれた石碑と真っ赤な涎れ掛けと頭巾を被った地蔵尊が迎えてくれる。ここからの展望は無い。甚五郎山へ足を延ばすこととした。 10分程で辿り着く。木々の間から麓も見えるが、林の中の山頂で見晴しは悪い。水分を補給し少し休憩を入れる。
六丁峠へ戻り山腹道を歩く。石段が続く「山頂まであと○○m」の表示が石段脇のロープ柵杭に付けてある。 五丁・三丁と丁石碑毎に石仏が祀られた祠がある。ジグザグと段々道を登る。かなり蒸し暑い。 一丁碑を過ぎ香下区の索道ワイヤーへの注意表示板を越すと、広々とした観音堂の前の広場に9時13分到着した。公孫樹の大木がある。銀杏の若い実が沢山落ちていた。早く登ってきたのでゆっくりと休憩する。 ここから羽束山(524m)山頂部へは、あと僅かで鐘楼の脇を通る。ゴーン〜〜〜と一撞きして進む。この辺りには白い鈴蘭状の花を付ける一薬草(イチヤクソウ)が多く見受けられた。YAMAPでは此の花を見るために羽束山に登る人もあるようで、その筋には知られた山のようである。多くは白い花だが、紅い花を付けるのがあって、上高地の特定の場所で見られるようである。 鐘楼を廻り込んだ先が羽束神社が建つ山頂となる。9時25分到着した。 神社を少し下ったところに展望所があり、遠く播磨灘が霞(カス)んで見える。先般登った「有馬富士」(374m)も眼下に望めた。 頂上羽束神社鳥居前にて記念撮影の後、観音堂へ下り「木器(コウヅキ)バス停方面」への道標がある地点から登山道を下り宰相ヶ岳(サイショウガタケ)(500m)へ向う。ここは少し荒れ気味の登山道で、しかも急坂も多い。 案内コースタイムは10分となっているが、ロープや岩場が何度も現われる傾斜のキツい道を、手や足やストックをフル活用して下る。宰相ヶ岳との鞍部へは20分程を必要とした。 登って来た香下寺方面へは左の道となり、木器バス停方面へは右を下る。鞍部から木立ちの中、急坂を登り返す。途中休憩を入れながら進むが、ほぼ直登である。 汗をブルブル・ジュクジュクの身体で10時13分三角点のある宰相ヶ岳のピークを踏んだ。吹く風が心地良い。 「展望岩」との案内板があり少し下ってみると山肌が岩盤となっている。暫く休憩の後、記念撮影を済ませ香下寺方面へ下山する。 「山頂広場」と称される地点からは、羽束山の雄姿を望むことが出来る。 小ぶりながらその姿の良い山容は周辺からよく目立ち、古くからの信仰の山として、その昔には「香下山」と「摂陽郡談」にも登場する。よく整備されているため手軽に「初日の出」を見に登る人も多いようである。 もう少し急坂を下ると、見晴らしの良い岩盤の休憩地点に出た。10時45分ここで昼食とする。香下地区の村落が望める。豪雨災害が報道され、雨の日が続く中、今日は晴れ間が出て良い天候となった。山日和で有難い。 昼食後11時15分下山を再開し急坂を下る。溜め池のある辺りまで下山すると、香下寺が望める。 池には水蓮が咲き鴨が二羽見え隠れしていた。畑道の中を少し下り茄子のビニールハウス横を通り、 藪甘草(ヤブカンゾウ)が咲く坂道を登り香下寺駐車場に11時45分無事下山した。
境内に入る。十一面千手観音立像が建ち弘法大師の石像があり十三重の石塔がある。羽束山香下寺は、百済の僧・日羅上人の開基とされ、上人が欅(ケヤキ)に彫った十一面観音が良い香りを放ったことから「香下」の名がついたとされる。本尊は訪れた観音堂に安置されているとの事であった。 檀家さんの一周忌法要を済ませたばかりのご住職に御朱印をお願いした。その後身支度を整え汗が引くのを待って12時20分帰路につく。 12時40分LAWSON猪名川笹尾店に立ち寄り涼をとる。県道12号線、府道602号線を能勢街道に入る。 途中棚田百選に選ばれた、長谷の棚田を見学する。三草山の裾野にあたるこの地区には、緑の段々棚田が広がっていた。稲刈りの頃「三草山」に登り黄金色の棚田を見に再度訪れたい。亀岡には14時頃に辿り着いた。
<<コースタイム>> 八王子神社登山口8:17→六丁峠鞍部8:40→甚五郎山8:50→観音堂9:13→羽束神社(山頂)9:25→観音堂9:40→宰相ヶ岳鞍部9:55→10:13宰相ヶ岳(山頂)10:30→10:45岩盤休憩所(昼食)11:15→香下寺駐車場11:45
記:岡本