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亀岡山岳会(KAC) 
個 人 山 行 報 告


個人山行報告 2023年10月16日(月)〜17日(火) 天候:快晴(両日共)

岐阜・ひるがの高原 大日ヶ岳(1,709m)
 

参加者  L:梅井、吉田、藤井、岡本


 当初の計画では、穂高連峰・北穂高岳(3,106m)へ2泊3日にて登攀予定として準備していた。猛暑日の続いた夏から、秋に変わり、山の紅葉も終盤戦で、この時期としては、3日間共が快晴予報で有り難く朗報と見ていた。・・・ところが、出発前日になり、宿泊小屋へ確認連絡したところ、約20cmの積雪があるという。アイゼンの効かない新雪状況にて、登攀は無理な様子となり、残念至極なるも、断念した。急遽、新たな先を色々と厳選し検討の結果、表記郡上市大日ヶ岳を目指すこととなった。
 
 午前7時に集合し亀岡を出発する。朝焼けの空で霧が立ちこめている。京都縦貫自動車道「篠IC」から高速に乗る。8時20分名神高速道路「黒丸PA」にて最初のトイレ休憩をとり、昼食を準備する。
 
 一宮JCTから東海北陸自動車道に入り、9時45分「長良川SA」にて再び休憩とする。10時30分「高鷲IC」にて高速道を降り、ここから56号線をひるがの高原方面へ向かう。途中10時35分コンビニファミマとトイレのあるところで休憩をとる。

 
 この辺りから大日ヶ岳の案内表示が出てくる。標高830m地点奥長良川県立自然公園「夫婦滝」の脇を越え、白川街道「湿原植物博物館」の案内標示を見て左折し郡上市高鷲観光協会・案内看板のある地点に到着する。ひるがの高原観光マップを見て、別荘地域を抜け、標高950m地点の登山口駐車場に向かう。
 
 簡易水道施設があり、3段構えになった15〜20台程が駐車可能な、登山口駐車場に11時06分到着した。5〜6台が駐車していて、登山者があるようだ。
 
 脇に咲く野紺菊(ノコンギク)の花に蜆蝶(シジミチョウ)が羽を休めている。
 
 準備を整え11時20分登山を開始する。最上段の駐車場所には「水神」の碑が建っている。登山口の標識には、登山上の注意書きと、頂上まで7kmと案内されていた。頂上までのコースタイムは3時間で下山には2時間を要する。現在時刻を考慮し、出発する。大日ヶ岳は、白川山系を源とする四大河川のうち、唯一、太平洋に流れ下る長良川と、日本海に注ぐ庄川・九頭竜川の分水嶺をなしている。長良川と庄川の分水嶺を辿るコースの起点となるのが、ひるがの高原コースである。ここには湿原植物博物館や分水嶺公園・スキー場などがあり別荘地が広がっている。

 
 白樺(シラカバ)やブナ・ミズ楢(ナラ)の混じる雑木林の穏やかな登山道を緩く登って行くが、此の辺りの紅葉は未だ僅かで余り進んでいない。
 
 送電線の鉄塔があり「水道山・右へ」案内板がある。ここの展望が良い。快晴の青空と山々の緑のコントラストが美しい。
 
 杉林を抜けるとブナやミズ楢(ナラ)の林となってくる。フラットな箇所があるものの急坂を繰り返し登って高度を上げる。アップダウンを繰り返す長い登山道は、爽やかな気候ながら可なり辛い。休憩も取り入れるが、汗が吹き出し水分補給の繰り返しが続く。
 
 胸突き八丁を過ぎ、あと3kmの案内板を通過し、郡上市、高山市の境界尾根を進むと、ブナ林の中で開けた広場の「一ぷく平」に12時58分到着した。ここは1,356.2m頂上まで約半分の地点である。
 
 ここで昼食とした。三角点がある。新旧二つの標石が並んでいた。色々なキノコが生えている。
 20分程休憩の後、山頂に向け出発する。登り口付近から山頂近くまで、この山には蔓竜胆(ツルリンドウ)が多く見られた。花房を残しているものもあれば、もう真っ赤な実を付けているものもある。4〜5人・2〜3人の下山パーティーと出合う。「引き返して、2度目の登りか?」と声掛けされる場面もあった。

 断続的に続くブナ林は高度を上げる毎に黄葉が増し、櫨(ハゼ)の木の紅葉も混り、素晴らしい風景となってくる。ダケカンバや低木が増え、笹原の道になってくるが、地味に長い登山道に、息も絶え絶え、口数も数なく必至の形相で登り続けた。露岩箇所や泥濘(ヌカルミ)やアップダウンを進む。辛い登りが続くが、景色は抜群で、青空に紅葉の山々が美しい・・・が、ゆっくり眺めている余裕が無い。
 
 一ぷく平からのコースタイムは、約1時間半の長い登山道を進む。「山頂は、風がキツいですよ!」とペアの登山者に教えて貰ったところで、標高1,630mの展望台地点に14時18分辿り着いた。
 
 ここが頂上かと頑張ってきたが・・・。山頂は未だ30分程先にある。好天気に恵まれて、ここからの眺望が素晴らしい。間近に迫る山頂や、ぐるりの山々が見渡せる。少し休憩の後、時刻を考慮し思料の結果、山頂を極めることとして、急坂を登る。
 
 竜胆(リンドウ)の花が咲く道を20分程で山頂1,709mに14時40分登頂した。思わずハイタッチとなる。

 
 山頂には、大日如来の石仏や石碑・方位盤などが置かれている。北に三の峰、別山・白山。西に九頭竜方面、荒島岳。少し南には能郷白山などを望むことが出来た。
 
 暫く、雄大な眺めを堪能する。山母子(ヤマハハコ)草の株が見られた。もうこの時刻からの登山者は無い。
 
 14時48分下山する。山頂近くの急坂道は、泥濘(ヌカルミ)んだ場所も多くあって、足元がすべる。ストックを使い、慎重に下山する。余裕の無かった登り時と違って、山々の人智を越えた、自然の芸術に心奪われる。楓(カエデ)や櫨(ハゼ)の赤、櫟(クヌギ)・ミズ楢(ナラ)・ブナの黄色が目に入ってくる。藤袴(フジバカマ)も咲いていて、実る赤い実が青空に映る。
 
 15時05分展望台まで下山する。ここから中間地点の一ぷく平まで長く緩く登山道を下る。黄葉するブナ林の中を進み、16時05分一ぷく平まで下山した。
 
 少しの休憩だけで身仕度を整え下山を続ける。急坂が繰り返される。途中から雨雲に覆われてきて、杉林の中では、少し暗くなった。間もなく雨がパラついたが、雨具を準備する程ではない。鉄塔下を通過し、登山口駐車場へ17時28分無事下山した。秋は釣瓶落とし…。女心にも喩えられるとおり変わり易く、今回も、快晴で青空が広がっていた空も下山途中で雨がパラついた。周辺の望める山々には日が射していたが辿る登山道は薄暗くなった。登攀開始前から、L.が何度も懸念していたとおりの状況であった。今回の反省点として、予定を急遽変更したからこそ、これからは時間的余裕を充分に計算した計画としたい。
 身仕度を整え、荷物整理し17時40分宿泊先の民宿・大蔵屋へ向かう。電話連絡を取りながら、ひるがの高原内の大蔵屋へ18時10分到着。宿屋主人パンちゃんコト蔵田健二氏に出迎えて頂いた。大日ヶ岳は泰澄大師が開山したと伝わり、美濃馬場を拠点とする修験の霊山であったことを実感した。
 
 民宿は、他に自転車で一人旅をしているというポーランド人が一人。郷土料理の「鶏(ケイ)ちゃん鍋」にオーナーが長良川で釣り上げたという鮎(アユ)の塩焼きが出た、リーズナブルな料金で(一人7,500円)満足した。

 
 早朝に辺りを散策した。気温は8度で爽やかな朝である。晴天で大日ヶ岳が望める。牧草地が広がっていて、鈴なりの梨の大木が多くの実を落としていた。

 宿泊先大蔵屋を8時30分出発し、帰路につく。156号線白川街道へ出て間も無く、村指定文化財で標高830m地点にある、「夫婦滝」を見学する。
 
 泰澄大師が白山開踏探索の際に水垢離(ミズゴリ)をされたという名瀑である。長良川源流で高さ17mあり、岩塊の中、豊富な二本の水流が落下する見事な滝であった。近くまで登り込み、記念撮影の後8時50分再出発する。156号線を「高鷲IC」から東海北陸自動車道に入る。各務原を越え観覧車の見える「ハイウェイオアシス・川島PA」にて少し休憩を取る。運転を交代し10時10分出発する。名神高速道路に入り11時50分「黒丸PA」にて休憩昼食とする。(黒丸ちゃんぽん990円がお薦め!!)
 12時15分出発、京都縦貫自動車道「篠IC」にて高速を出る。13時10分セルフ亀岡G・Sにてガソリンを満タンにして、コンビニファミマ篠インター店へ戻り清算する。ここで解散とした。 お疲れ様でした。

<<コースタイム>>
登山口駐車場11:20 〜 鉄塔11:35 〜 胸突八丁12:30 〜 12:58一ぷく平(昼食)13:20 〜 展望台14:18 〜 14:40大日ヶ岳山頂14:48 〜 展望台15:05 〜 一ぷく平16:05 〜 胸突八丁 〜 鉄塔17:12 〜 登山口駐車場17:28

記:岡本