本文へスキップ
亀岡山岳会(KAC) 
個 人 山 行 報 告


個人山行報告 2024年4月2日(火) 天候:晴れ

金剛山(葛木岳)(1125m)
 

参加者  上原、上原し、岡本


 何故か機会から遠退いていた、念願の金剛山へ登った。近畿で人気ナンバーワンであると言う大阪の名山である。毎日登山する人も多い。金剛山は葛木岳(1125m)・湧出岳(1112m)・大日岳(1094m)の三峰からなる金剛生駒紀泉国定公園の最高峰である。近畿では、八経ヶ岳・伊吹山・武奈ヶ岳に続く標高差1000mの登山道でもある。古来、高天山(タカマヤマ)とも呼ばれていた。歴代皇族のご参拝登攀も多く、金剛葛城山地の盟主である。


 3名、車1台で朝7時に亀岡を出発した。京都縦貫自動車道・篠インター手前のコンビニファミリーマートにて昼食を準備し高速に入る。大山崎JCTから名神高速道路へ、吹田JCTから淀川を渡り、守口・門真・八尾と近畿自動車道を南下する。並行してモノレールも走っているが、朝の通勤時間帯であるからか、上下線共大変な交通量である。少々渋滞にも巻き込まれながら、美原北ICから国道309号線へ高速を降りる。流石に大都会大阪の地は至るところが混雑している。南河内郡河南町の道の駅「かなん」に8時50分到着トイレ休憩をとる。開店前であるが春の花々の鉢物が取り揃え並べられていた。9時00分再出発、交差点を右折し千早赤阪村へ入って行く。
 
 同村千早の登山口駐車場へは9時18分に到着した。駐車料金は600円(土・日・祝日は800円)。脇に山の豆腐屋「まつまさ」があり、mont-bellルーム金剛山麓店がある。登山準備を整え9時33分出発する。

 
 一旦バス道へ下り、南海バス金剛登山口バス停を少し進み、日本百名城の千早城跡登り口へ向かう。石碑と由緒を認(シタタ)めた案内板が建つ、ここから、いきなりの急勾配石段を登る。
 
 燈籠が建ち、鳥居があり、古い石積みの段々が暫く続く。脇道に春蘭が花を付けていた。登り始めから続く階段に息も上がり汗ばんでくる。
 
 城跡に辿り着くと広場になっていた。楠木正成(マサシゲ)が籠城し鎌倉幕府軍と闘った難攻不落の城である。奇策・知略の一つである黒鎧を着た人形武士が迎えてくれる。
 
 桜が少し花を付けている。標高634mでベンチがあり、休憩が出来る。阿吽の狛獅子が居て鳥居を進むと千早神社があり参拝する。神社右横に延びる山道を少し下って進むと、何十人も入れるような休憩建物があり、その先で千早本道と合流する。

 
 ここからは長〜〜い!丸太階段の登りが続く。
 
 山林の林床のうす暗いところに「青木(アオキ)」が多く繁り赤い実をつけている。三合目・四合目と千早本道を進む。
 
 少し緩やかで山頂までが丁度中間地点の五合目には東屋がある。汗を拭い水分を摂り少し休憩を入れる。流石に大阪で人気の山だけあって登山者が多くある。何故かウルトラマンとバルタン星人像が励ましてくれている。傍には木五倍子(キブシ)の花房が下がり春を告げている。7〜8分程休んだ後出発する。
 
 登山道は可成り整備が行き届き歩き易いのだが、続く丸太階段に足が上がらない。頑張って登る。六合目・七合目を越え小休止を取り入れながら高度を上げていく。
 
 やがてブナ林に変わってくる辺りで若草の新緑の中に猩々袴(ショウジョウバカマ)や片栗の花を見つけた。辛い階段の登り道に、疲れた身体が少し癒される。一人で何も荷物を持たずの登山者も多い。毎日登山を続ける人も沢山ある。身軽にスタスタ登る若人も敬見する。(心の中で:以前はもっと歩けたのに!!)一生懸命登る。
 
 八合目を過ぎた辺りで遠くが望める緩やかな山道に差し掛かる。山肌のブナ林に沢山の宿り木がついている。実る頃には「能勢・野間の大けやき」のようにバードウォッチングが楽しめるのかも知れない。

 
 やがて「金剛山練成会」の巨大な登拝者看板が建つ広場に出る。やっと丸太階段を登り詰めた。50回以上の登拝表には最高17,000回以上に1名(平野さん?)の掲載がある。50回、100回の方々も多く出ているが、この看板からすれば、これでも凄い回数だが初心者の雰囲気で、今回初めての登攀にヨレヨレになって登って来た身にすれば、天文学的回数に思える。
 
 先には売店があり、食堂があり、社務所があり、宿泊施設があり、大きなトイレがある。観光地として色々整っている。賜やかなところを少し下ると、国見城跡の山頂広場に11時45分辿り着いた。

 昼食タイムとする。大阪平野が見渡せるのだが・・・。今日は降水確率0%で、霾天(バイテン)予報もあったが、春霞により停雲靄靄(テイウンアイアイ)状態であった。気温は14℃、青空があり陽射しがあるが、雲も多い。汗ばんで登って来た身体に春風が冷たい。一枚羽織る。

 金剛山と言えばライブカメラがあり、10分毎に配信されている。12時20分参加してきた。ベンチを交代待ちするほどの多勢の休憩者がある。山上であり未だ蕾も固い様子の金剛桜の古木があるが見頃は5月の連休当たりだと云う。薄緑色の花が咲くらしい。雨宿り用にも休憩場所の建物があり、何も持たずに登ってくる人にも頷ける。12時30分昼食休憩の後山頂葛木神社へ向かう。

 
 売店方面へ戻り、金剛山転法輪寺前を朽ちかけた鳥居を潜り三叉路分岐から左に折れ坂道を登る。一本の杉なのか?連理の末なのか?周囲10mはあろうかという巨大木である。なおも登ると大国主(オオクニヌシ)神出現の福石と足利時代の後醍醐天皇や宝剣を埋めたとされる供養の宝剣塔がある。拝礼をしながら進む。
 
 金剛山最高点の葛木岳山頂(1125m)は葛木神社本殿奥の立入禁止裏手にある。ご祭神は葛木一言主(ヒトコトヌシ)、楠木正成、後醍醐天皇で、「善きことも、悪しきことも、ただ一言宣(ノ)らば叶う」とされる神様であるのに、いくつものお願いをしてしまった!!葛木神社石碑には「金剛山最高峰海抜1125米」と刻まれている。境内十三社が並ぶ中、天孫降臨に係る神々に加えて秀吉や家康も祀られている。大社造りの棟の千木(チギ)が金箔に輝いていた。もう少しで登拝800回になるという登山者の方に写真のシャッターをお願いした。参拝を済ませ下山する。
 
 途中通り過ぎた五眼六臂(ゴガンロッペキ)の法起大菩薩を祀る転法輪寺に立ち寄る。開山1350年記念事業として一画10萬円の華天井が勧募されていた。
 
 行者堂(役小角(エンノオヅノ))があり、山上なのに秀吉由来の瓢箪型のひさご池があった。脱帽し参拝する。神社・寺院のご朱印を頂いた。13時10分下山を始める。登って来た道を降りる。網目のように近道や緩やか道として何れ合流する山道が分かれている。何れも整備された丸太階段道が長く続き、足はガクガク、脹ら脛(フクラハギ)ヒラメ筋がパンパンに張って来る。13時45分五合目まで下って暫く休憩を取る。5分程休んだ後、再び下山を開始する。矢張り足は痛みを伴って来て、漢方No.68を飲む。階段は辛い。標高634m地点の登山時合流した分岐からは、千早本道を下る。北谷を境とした千早城跡への登り口を通過する。幕府軍と互角に交えたことで落ちない城として入試学業祈願を支えている。間も無く登り口駐車場に14時27分無事下山した。周(マワ)りの桜が朝方より綻(ホコロ)んだように見える。食堂「まつまさ」の隣にある老舗、安永6(1777)年創業の「山の豆腐」店を覗く。有名な店舗で「ひろうす」を買った。又、向いのmont-bellルームへも立ち寄った。身仕度を整え15時00分帰路につく。15時19分朝と同じく道の駅「かなん」にて店内を物色しトイレ休憩を取る。15時30分再出発。来たコースを戻る。国道309号線を進み、美原北ICから高速道に入り近畿自動車道吹田JCTから名神高速を進み、大山崎JCTから京都縦貫自動車道を経て篠ICにて高速を出る。亀岡へは17時に帰着した。

<<コースタイム>>
千早城跡登山口9:37〜城跡千早神社10:05〜千早本道(634m地点)合流10:15〜五合目休憩10:45〜登拝者看板広場11:37〜11:45山頂広場(国見城跡)昼食12:30〜葛木神社(山頂)12:45〜転法輪寺13:00〜下山13:10〜五合目13:45〜千早本道合流地点14:15〜駐車場下山14:27

記:岡本