本文へスキップ
亀岡山岳会(KAC) 
夏 山 合 宿 報 告


7月例会(夏山合宿)報告 平成26年7月26日〜28日 天候:雨のち曇り

夏山合宿(唐松岳 2696.4m・五竜岳 2814.1m)
 

参加者 L:上原、川村、名倉、梅井、礒松、石橋、大伴、青山、小沢


 今年の夏山合宿は、後立山連峰の真ん中に鎮座する名峰「五竜岳」とした。余談ですが、今年は深田久弥が1964年に「日本百名山」を発刊、50周年を迎える記念すべき年である。
「五竜岳」は、深田久弥の「日本百名山」の冒頭「北安曇から後立山連峰を眺めると、高さは特別ではないが、山容雄偉、岩稜峻(シュンレイ)、根張りのどっしりした山が目につく。それこそ大地から生えたようにガッチリしていて、ビクとも動かないと言った感じである。これが五竜岳だ。北は大黒の岩峰を経て唐松岳へ続き、南は八峰キレットの嶮によって鹿島槍岳に連なり・・・」と続く、今回の計画は八方尾根から登り、先に「唐松岳」を登り尾根歩きで「五竜岳」を目指す。

 
 1日目:AM8時アルプラ前に集合、予定通り出発した。京滋バイパスに入るといきなり宇治トンネルまで渋滞に巻き込まれ、結果30分程遅れてのスタートとなった。しかし、初日は前夜泊なので、多少の遅れは特に問題ない。その後は順調に名神高速道路、中央道、長野道と走らせた。渋滞の影響で予定した行程より遅れているので、「梓川SA」で昼食を取る予定を、「駒ケ岳SA」で昼食を取る事となった。夏休みの土曜日のSAは想像以上に大混雑、食券を買うのに並び、テーブルを探すのに一苦労と、いやはや大変な思いで昼食を済ませた。途中安曇野周辺を散策して行こうかと思っていたが、ちょっと遅れもあり、寄り道するには中途半端になったのと、あまりの暑さ直接宿へ向かうことにした、3時15分ごろ宿に到着。この日長野市の最高気温は今年最高の37.7℃を記録、宿のある五竜スキー場も夕方になっても依然気温の下がらない、涼しい高原を期待していたが、暑い夜となり期待はずれでがっかりでした。


 2日目:山行は早出、早着が原則、無理を言って6時からの朝食をお願いして、さらに、登山口の八方尾根ゴンドラ乗り場まで車で送って頂くこととなった。いざ出発となり車に乗り込むと同時に心配していた雨が降り出した。亀岡を出発する前に見ていた天気予報では1週間先まで晴れマーク、安心して来たのに出足をくじかれた感じだ。さらに、出発時に慌てて書かなくても済むように、事前に亀岡で書いてきた「登山計画書」を車の中に置き忘れ、結局その場で登山届けを記入する破目に、時間のロスもあり皆さんに迷惑を掛けてしまった。
 雨の降る中、ゴンドラリフト、アルペンリフト、グラートリフトと3本のゴンドラとリフトを乗り継ぎ、標高1850mの八方池山荘まで一気に上がってきた。リフトの下はまるでお花畑のように今を盛りに花が咲き乱れている、ニッコウキスゲも満開で出迎えてくれていた。途中のゴンドラリフト終点駅で雨具を装備、前線が早く通り過ぎる事を期待して、8時丁度に第1ケルンのある八方池山荘を出発、天気が良ければ白馬3山を見ながらの楽しい尾根歩きのはずが、あいにくの雨、何も見えない、第2ケルン、第3ケルンをたどり、歩き始めて1時間、八方池に9時到着、ここ八方池までは観光客も多く登って来る(あいにくの雨で少なかったが・・・)ので登山道はよく整備されて非常に歩きやすい道だ。しかし、ここから本格的な登山となる、
 
丸山ケルンを過ぎたあたりから沢にはまだたっぷり雪渓が残っている、さすがは、有数の豪雪地帯、雪渓を横に見ながら、11時過ぎそろそろ稜線へ出る頃、雨は小降りとなってきたが、台風10号崩れの低気圧が前線を引き連れてきた影響か、稜線へ出た途端、強烈な暴風雨、気温もかなり下がって体温が奪われていく、幸い稜線上に立つ「唐松山荘」がガスの切れ目から見えた、風と寒さの中救いの神に見えた(11時25分着)。休憩料を支払い食堂でゆっくり昼食とした。

 

 
 食事をしながら、この先、予定通り「五竜岳」を目指して進むか?下山するか?を協議した結果、この風の中、尾根を進むのは危険と判断、やむなく撤退する事を選択、下山することとした。その前に「唐松岳」山頂へ3名行く事になり12時30分唐松山荘を出発、強風で厳しかったが無事山頂に12時50分着、残念ながら視界はきかなかった。再び「唐松山荘」に全員が合流して13時10分下山開始した。
 


 下山開始と共に、雨はほとんど降っていない、風は強烈に吹き荒れていたが、稜線を避けると比較的穏やかに感じるようになった。しかし、五竜岳の方向を見ると、右から左へ流れる雲の速さを見ていると稜線上の風はかなり厳しい、下山を選択したことが正しかったと思いました。
この日は、前線の通過で一時的に冬型気圧配置となっていた。
 丸山ケルンまで下りてくると雨は完全に止み、薄日が差すまで天気が回復、白馬三山もぼんやりではあるが眺めることが出来た。14時10分丸山ケルンの前で白馬三山をバックに始めての記念撮影を済ませて上りと同じ道を下り、八方池の周りを通過して、八方池山荘に16時丁度到着した。
下りもリフト、ゴンドラを利用して無事下山(14時40分)しました。
下山前、唐松山荘から電話で昨日泊まった宿に今日も泊まる事をお願いし、更にゴンドラ乗り場まで迎えに来てもらう事を約束して、迎えに来てもらった。
 目的の「五竜岳」登頂は出来なかったのは、残念であったが無理して事故に遭うより正しい選択であったと思っている。

 3日目:2泊お世話になった「ロッヂ五竜」の駐車場で記念写真を撮って、信濃大町市にある「大町山岳博物館」を訪れ、北アルプス後立山連峰の山々・雪形の伝承・山の伝説等の紹介を受け「岳人」になりきり、来年の夏山合宿は何処の山を登るか?思いをはせながら帰る事とした。
少し早い帰着となったが、亀岡に5時過ぎに無事帰ってくることが出来ました。
 またいつの日か、「五竜岳」へ登る機会があれば挑戦したいと思っています。

記:上原